胃カメラとは
胃カメラは、上部消化管内視鏡検査とも呼ばれます。
口や鼻からカメラを挿入し、喉(のど)・食道・胃・十二指腸の観察を行う検査です。
①患者さまのニーズにあった方法を提案
②つらくない検査
③最新の高性能な内視鏡システムを使用
④感染対策・安全管理
① 患者さまのニーズにあった方法を提案
「楽に受けたい」「前に受けた胃カメラは辛かった」「不安が強い」
「えずきが辛かった」
「より精密な検査を受けたい」
「検査後は、仕事に行きたい」「検査後は、すぐに帰りたい」
「画像を見ながら、検査を受けたい」
患者さまのニーズは千差万別
それぞれの患者さまにあわせて、最適な検査方法をご提案させていただきます。
②つらくない検査
つらくない状態で胃カメラを受けていただくことは、非常に重要です。
えずき(嘔吐き:オエッとすること、嘔吐反射とも呼ばれます)を伴う胃カメラは、患者さまがつらい思いをするだけでなく、胃の膨らみが損なわれたり、胃の中に霧が生じてしまったりして、十分な観察が行えません。
また、少しでも早く終わらせようとすることで観察が不十分になる可能性もあります。
以前に受けた胃カメラがつらかった方も
初めての胃カメラに不安のある方も
一度、当院の胃カメラをお試しください。
いずれの方法でも、自信をもってお勧めさせて頂きます。
当院では、患者さまのお考えを第一に考えつつ、当院のおすすめをお伝えしたうえで、最終的にどのような方法で胃カメラを受けていただくかを決定していただくようにしております。
鎮静剤を用いた胃カメラ
当院では、鎮静剤を用いた胃カメラ(鎮静下内視鏡)を第一選択として推奨しています。
鎮痛剤でウトウトしていただいている間に内視鏡検査を行います。えずきや苦痛が少なく、高精細カメラ用いた検査も楽に行えます。精度の高い装置を用いることで、見落としの少ない検査が可能です。
欧米のガイドラインでも診断の質の向上、治療の目的の達成のために、鎮静が有用であると言及されています。
今まで、我慢をして内視鏡を受けておられた方、以前に非常につらい思いをしたことで内視鏡を避けておられた方、精度の高い検査を望まれる方、是非、鎮静剤を使用した内視鏡(鎮静下経口内視鏡)をお試しください。
また、鎮静剤を使用し楽に受けたいけれども、できるだけ麻酔を少なくして欲しい方には、経鼻内視鏡で使用する細い胃カメラを使用して鎮静下で経口内視鏡(鎮静下経口内視鏡)を受けていただくことも可能です。
鎮静剤を用いない胃カメラ
鎮静剤を用いずに内視鏡(非鎮静下内視鏡)を行うことも可能です。
舌根(舌の根元)がカメラで押さえられることで嘔吐反射が生じるのですが、口から内視鏡を挿入(経口内視鏡)すると舌根が押さえられやすくなります。ですので、嘔吐反射が強い方には鼻から内視鏡を挿入(経鼻内視鏡)することもできます。咽頭反射が生じないと、内視鏡のつらさが非常に軽減されますので、内視鏡のスクリーニングには非常に適しています。
左:経口内視鏡:カメラが舌根(赤い部位)を圧迫 ⇒ えずき
右:経鼻内視鏡:カメラは舌根を刺激しない
一方、アレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症、鼻の穴の細い方の場合、鼻から内視鏡が挿入できなかったり、鼻出血が起こったり、鼻の違和感が強く感じられることもあります。このような、鼻は苦手だけれど鎮静剤も使用してほしくないとう方には、経鼻内視鏡用の細いカメラを用いて口から検査を行うことも可能です。口から挿入しますが、細いカメラなので舌根の圧迫も少なく、のど元の抵抗感も少ないので非常に楽に受けて頂くことができます。
尚、経鼻内視鏡は、鼻の穴が細くて挿入できない患者さまがおられますので、挿入できない場合経口に変更が必要です。しかし、鎮静剤で眠られた患者さまに喉の麻酔をかけることはできませんので鼻から挿入できなかった場合、検査ができなくなってしまいます。また、鎮静下で眠っておられる患者さまは、経口で検査してもつらくないわけですので、わざわざ鼻血のリスクを冒して経鼻で検査する必要性はないと考えています。よって、当院では、経鼻内視鏡には鎮静剤の併用(鎮静下経鼻内視鏡)はいたしておりません。
特に胃癌リスクの高い方(ピロリ菌感染者、ピロリ菌除菌後、ABC分類A群ではない方、喫煙者、塩分摂取量の多い方、胃がんの家族歴のある方、バリウムで胃炎や胃癌の疑いと診断された方)には、より高性能なカメラを用いて検査を受けて頂きたいので、鎮静下経口内視鏡をお勧めしています。
もちろん、他の方法でも受けて頂けますので、お気軽にご相談ください。
・胃がんリスクの高い方(ピロリ菌感染者、ピロリ菌除菌後、ABC分類A群ではない方、喫煙者、塩分摂取量の多い方、胃がんの家族歴のある方、バリウムで胃炎や胃癌の疑いと診断された方)、不安の強い方 ⇒ 鎮静下経口内視鏡
・鼻の弱い方、鼻の狭い方 ⇒ 経口内視鏡(鎮静、非鎮静)
・乗り物に乗らないと行けない方 ⇒ 非鎮静下内視鏡(経口、経鼻)
時間的に余裕の取れる方は、是非、鎮静下内視鏡検査を試されることをお勧めさせて頂きます。
③最新の高性能な内視鏡システムを使用
内視鏡システム(光源など)、内視鏡、モニターなどを
高性能な装置を用いて行うことで、
● より見落としの少ない検査
● より詳細な観察
が行えます。
当院で用いている経口内視鏡は、メーカーの最高画質のものを使用して降ります。拡大観察やウォータージェットを用いた臓器内の洗浄を行うこともできるため、より正確な診断が行えます。しかし、一回り太いので、鎮静剤を使用しウトウトされておられる状態での検査をお勧めしております。
麻酔科での研修、長年の鎮静内視鏡の経験などから、年齢・体格・飲酒歴・服薬内容などを考慮しながら、お一人お一人に適した麻酔量を加減し検査を行いますので、つらさを感じることなく検査を受けていただけます。
レーザー光内視鏡で診断能力が改善するという研究結果が報告されています 白色光 BLI(Blue LASER Imaging)- bright 画像 BLI(Blue LASER Imaging)画像 LCI(Linked Color Imaging)画像 目的に適した観察タイプを選択 3mmの近接撮影も可能
● レーザー光内視鏡で胃がんの発見率が向上
● レーザー光内視鏡がピロリ菌除菌後の胃がんリスクをより正確に評価できる
白色光と従来システム(キセノン光源)とは、同等の色調です。FICE(flexible spectral imaging color enhancement)は分光画像処理により微細な色の変化を強調します。
中遠景までの血管や表面構造を強調し、BLIよりも明るい画像が得られます。
レーザーによる短波光成分を増やし、粘膜表層の血管や構造の強調に適した画像を生成します。短波長レーザー光の照射により得られる高コントラストな信号に対して画像処理を行い、血管や表面構造などの観察に適した画像を表示します。
赤成分の信号を積極的に利用し、赤色付近の色を信号処理で強調します。赤みを帯びた色はより赤く、白っぽい色はより白くなるように色の拡張・縮小を行い、粘膜の微妙な色の違いを強調し、炎症診断をサポートします。
白色光観察からLCI観察へ切替えてBLI観察の拡大へ
④感染対策・安全管理
内視鏡の清潔環境が悪いことで、感染症を起こすことが知られています。当院では、大病院と同等の清潔レベルで環境整備することを心掛けております。
ディスポーザブル製品の使用
生検や内視鏡処置に用いる器具は、可能な限り使い捨ての製品を使用しています。
徹底した衛生管理
内視鏡を介しての感染症を避けるために、内視鏡使用直後に手洗い洗浄し機械洗浄を行うことが必要です。当クリニックでは、ガイドラインや内視鏡メーカーも最も推奨されている過酢酸という消毒薬を用いてしっかりと消毒しております。
また、少しでも待ち時間の削減につながるよう、複数の内視鏡を用意し、洗浄装置も2台しております。
消毒液には様々なものが発売されておりますが、内視鏡製造メーカーは過酢酸を使用した洗浄装置しか販売していません。清潔かつ内視鏡を傷めずに確実な消毒が行うためには、過酢酸を用いた消毒が必須と言えます。
一方で、過酢酸は使用期限が短い上に、やや高額であるため、検査数の少ない施設では採用されにくく、他の消毒薬で代用されることが多々ありますが、当クリニックでは少しでも安心して患者さまに検査を受けて頂けるように、大病院と同等の環境で消毒を行っております。